FASOV 3rd

 ……そんなわけで、色々いい評判を事前に聞いていたのだが、実際手に取ってみると、なぜそういった声が聞こえてくるのかがよくわかる。デザインセンスが実にいいのだ。

 特に素晴らしかったのは、空白の使い方。普通、ページに絵や字をぎっしり詰め込みたくなるものだし、逆にスペースを入れようとしても、たんなる余白にしか見えないものだ。しかし、「FASOV 3rd」においてスペースは、紙面全体の余裕を表現する役割を持っている。ページがテキストでぎちぎちに詰まっている一種の圧迫感のようなものをうまく抜き取っているのだ。うまいよなー。それから絵の置き方も実にうまい。それぞれのページごとに全部配置している場所が違っていて、全体が単調にならないように工夫されている。編集長・齋藤のデザインセンスの良さがにじみでている構成と言えるだろう。

 ただ、同時に、全体的な作りは「ASOV」なんだよね。つまり、要は会員に原稿を書いてもらってそれを載せるという形式であり、基本的なデザインも以前の会誌のパターンをなぞっているに過ぎない(センスは遙かに上だけど)。たぶんこれは今回が「FASOV」であることを考慮して意図的に行ったことだと思う。ただ、次回からはこれまでの形式をばっさり切り捨てて、齋藤の個性をもっと出してほしい。特にそれぞれの記事に統一感を出して、ひとつの読み物として楽しめるような会誌にすると、いいんだけどなー。前号や前々号はそういう努力をしていたと思うが、さらに齋藤色の強い紙面になっているのが読みたいなあ、と(編集が無茶苦茶大変そうだ)。

ということで、次回のオフセット版、楽しみにしてます。





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