注:以下の文は『三つの小さな王国』中の「王妃、小人、土牢」の内容に言及しており、未読の方の興をそぐおそれがあります。と、いうよりも、読んでないと何言ってるんだかわからないと思います。


 もし、あなたが、本のデータを気にする人であるならば、ひとつのことに気が付くかもしれない。そう、他でもない「王妃、小人、土牢」のことだ。原題(訳者あとがきのなかに、記載されている)を見て欲しい。そこには、"The Princess, the Dwarf, and the Dungeon"と、あるはずだ。"Princess"が、「王妃」というのはわかる。でも「小人」が"Dwarf"で、「土牢」が"Dungeon"だって? なんか、イメージが違ってきませんか? 試しに小人をドワーフと、土牢をダンジョンと置き換えてテクストを読みかえてみて欲しい。それまで私達の目の前にあった、どこかにかつて存在したかもしれない中世都市と、そこで語られてきた民話、という世界観はがらがら崩れてくるはずだ。代わりにそびえ立つのは……そう、おなじみのテーブルトークRPG的世界である。実際この物語は、ダンジョンの奥(あるいは高い塔のてっぺん)に幽閉されたお姫様、そこに徘徊する化け物、そして王妃奪還のためにあらわれる勇者というRPG的物語の原型をうまくずらした構図を見て取ることも可能であろう。
 また、こうも言えるかもしれない。
 これは、ミルハウザーが作り出した、新しいテーブルトークRPGなのである、と。実際、この小説は物語を編み上げる様々な要素を羅列する、という形をとっている。ということならば、そう、これはRPGのサプリメントとしか言いようのないものではないか! だが、この作品はサプリメントとしては重大な欠点がある。それは、「データがない」。王妃はもとより、辺境伯(この訳語も怪しそうだ)のHPやMPさえもが記されていないのである! まあ、これは物語性を重んずる(笑)ミルハウザーが、小説という体裁を保持するためにあえて削ったところであるのかもしれない。しかし、読者にはテクストを好き勝手に読み込む権利がある。と、いうことで本来あるべきデータを復活させ、真のサプリメントを復元してみたい。題して、

ミルハウザーRPGサプリメント
「王妃、小人、土牢」PLUS


ここでは、以下にあげる4人の登場人物のうちひとりを選んでプレイします。

王様(HP/30, MP/30, 特殊技能/嫉妬)

王妃(HP/10, MP/50, 特殊技能/添い寝) ――5/31 更新

ドワーフ(スカルボ)(HP/20, MP/40, 特殊技能/「贈り物ございます、王妃様」)

辺境伯(HP/50, MP/30, 特殊技能/土掘り) 


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