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発狂する近況


2014/09/10 [映画] GODZILLA ゴジラ(2014)

アメリカ公開から約2ヶ月以上も待たされ、ようやく日本でも公開されたハリウッド版ゴジラ(のリブート版)。かつての駄作とは違い、今度は傑作! ゴジラがちゃんとゴジラしている! などなど好評価を獲得し、アメリカを含めて全世界で大ヒット。こりゃ是非観ないと、ということで公開初日に行ってきたんだけど……。

まず、何と言っても冒頭である。

舞台はいきなり日本の原発! そこで起きた謎の地震。引き起こされる未曾有の原発事故! 事故の描写が微妙だが(原発由来の煙がでたら、そこに巻き込まれなくても、近くにいるだけでもうだめだろう)、ここまで直接的な描写があるというのはすごい。 確かに、「今」ゴジラを描くなら原発(もっというと3.11)とセットでないとね。残念ながら日本で制作したら難しいんだろうけれど、アメリカ製ならではの展開だろう。すごいぜギャレス・エドワーズ。

また、ゴジラの描写自体も素晴らしかった。 行動原理があくまで別の怪獣を殺戮することにあり、人類は歯牙にもかけないというのは新しかった。人類の敵という役割をぼやかしたおかげで、「怪獣王としての威厳を保ちつつ、ある程度感情移入できる存在」にすることができた。多分、今後のゴジラはこれがスタンダードになるのではないか(ガメラの後追いじゃないの? という気もしなくもないが)。

が、しかし、人間側の描写がひどすぎた。特に、中盤以降の米軍は単にあまりにもアホなだけの役立たずで、観ていてうんざりした。

例えば、予告編で印象的だった、米軍が上空からパラシュート降下するシーンは、実際に本編を観るとそこに至った理由が馬鹿馬鹿しすぎて、頭痛がしてくる。また、ネバダでの捜索シーンは、バカや滑稽を通りすぎて、作り手側の知性を疑うレベルに達している。

主人公については、物語のほとんどを怪獣が活躍するシーンを邪魔することに費やしているばかり。まあ、最後の最後で、積極的に怪獣に絡んでいくのだが、やっていることが、実質的にかつての「エメリッヒ版」とあまり変わらないような気が。

ということで、最初はものすごく興奮しながら観ていたのだが、最後はすっかり冷め切った気分で席を立ったのだった。良質な怪獣映画からはじまり、最終的には、近頃ではあまり見られないアホなハリウッドに映画に堕していたな、という感じがする。 結局、ビジュアル的には素晴らしいが話はクソという、いつものゴジラ映画であった。

とはいえ、町山智浩を始めとした映画秘宝関連の執筆陣では、絶賛する人たちが沢山いるみたいなので、楽しめる人は楽しめるのかもしれない。ただ、思うんだけど、これが面白いっていうんなら、大抵の和製ゴジラは傑作ぞろいじゃなかろうか。80年代以降なら、人間描写はひどいもんだけど、視覚効果(ゴジラやそのバトル)あたりは、結構いい線いっていたような。

とうことで、これがゴジラとして面白いというのなら、VSシリーズは全部傑作ということでいいんですよね? でも、平成ガメラ三部作が出たことで、頭の悪い描写やアホなシナリオは必要なくて、人間側も含めてちゃんとリアリティを持ったお話にしようよ、ということになったと思うんだけどなあ。


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