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発狂する近況


2015/05/06 [小説][SF] 火星をなめるな

『火星の人』をようやく読了した(面白かった)のだが、読んでいて、どうしても間歇日記に紹介された、採用試験のエピソードを思い出してしまった。

この試験では、宇宙船が大破して月に置き去りにされた乗組員が、180kmはなれたランデブーポイントにたどり着くため、持っていく備品の優先順位をディスカッションで決めていくというもの。

http://web.kyoto-inet.or.jp/people/ray_fyk/diary/dr0010_3.htm#001026

ここで、月のなんたるかを知らないで適当なことを抜かしている他のメンバーの発言を聞いたのちに

やがて私の番がまわってきたとき、すでに私は冷静さを失っていたのでしょう。
「月をなめるな」
それが私の第一声でした。

と、啖呵を切るくだりは、いかにもSF者っぽい感じでイイ。

本書を読めば、酸素ボンベや水を置いて行きましょう、なんてことは言わなくなるはずなので、みなさま是非読みましょう。

火星の人 (ハヤカワ文庫SF)
アンディ・ウィアー/小野田和子
早川書房
¥ 1,296


2011/09/17 [SF][小説] ねじまき少女(パオロ・バチガルピ)

ねじまき少女(上) ねじまき少女(下)

ようやく読了。いやあ、相変わらず読了するまで長かった。もうちょっと遅読はなんとかしなければなあ。

全体の構成として、上巻が主に世界観の説明と伏線で、下巻でようやく話が動いて伏線を回収する、という感じ。この両巻の断絶はなかなかすごくて、上巻でメインになっているキャラクターたちの大半が、下巻では退場&空気化し、新たな主役を迎えた下巻から怒涛の展開が始まることになる。 これは「新人類の誕生」という、本書のひとつのテーマ(?)をなぞった意図的な構成ではなかろうかと思う。前半で活躍するのは既存の世界を担ってきた人々であり、後半ではこれからの時代を担う人たちの物語であると言える(ラストからエピローグ直前のエピソードあたりも、そんな感じがするし)。 ただ、読者としては作者の(ある種の)わがままに付き合う必要はないはずで、上巻の冒頭とあらすじをざっと眺め、下巻を読みだしても大して支障は無いし、効率的じゃないかとは思った。

もうひとつ興味深いのは、物語の大きな流れを主導するキャラクターや描写があんまりない、ということ。本書の大枠は、近未来のバンコクを舞台にした環境省と通産省とカロリー企業の暗躍であると要約できると思うのだけれど、本書に出てくる事件の「きっかけ」になった出来事の描写はあるんだけれど、そこから事件を進行させ社会に深刻な影響を与えていく様はほとんど描写されない。それは権力の奥底でひそやかに育まれ、物語中、それとわかるかたちで現れたときはすでに勝負は決まっている。本書の登場人物たちは、どんなに英雄であろうとも、社会を形作る駒に過ぎず、せいぜい命がけで蜂の一刺しを見舞うくらいだ。このあたりは、なんというか現実の世界に通じるものがあって、読んでいてなかなかせつないものがあった。

SF的には、冒頭の果物の描写や、工場の仕組みなど上巻の方に読みどころはあったかな。ただ、最終的にはあんまり存在感がなくてがっかり、バンコクの空気感等のほうが全般的に良く描写されていたように思う。むしろ、本書の前後の時代の方がSF的には面白そうな。

ということで、後日譚が読める日が来ることを願ってやまない。

ねじまき少女 上 (ハヤカワ文庫SF)
パオロ・バチガルピ/鈴木康士/田中一江/金子浩
早川書房
¥ 907

ねじまき少女 下 (ハヤカワ文庫SF)
パオロ・バチガルピ/鈴木康士/田中一江/金子浩
早川書房
¥ 907


2011/07/18 [SF] S-Fマガジン 2011年 08月号(初音ミク特集)

S-Fマガジン 2011年 08月号 [雑誌]

まあ、S-Fマガジンというと、かつてエヴァを特集したこともあった(1996年8月号)わけで、2008年に星雲賞も受賞している初音ミクを特集するというのは、ごくごく当然のことであり、むしろ遅過ぎると言えよう。しかも今回の特集を組むきっかけになったのは、初音ミクが米トヨタのCMに起用され、LAでライブをやることが決まったことにあるそうな。なんという権威主義、だっせー。ここに到るまで特集を組まなかった編集者は、自らの不見識を深く恥じるべきであろう。

……という反省もあったのか、S-Fマガジン8月号は、KEIのイラストと「初音ミク」のロゴがでかでかと載る、かつてない表紙となり、さらに発売前に増刷も決まるというすごいことになった。

で、読む前は、どうせ付け焼刃的に表層をなぞるだけの内容になっているだろうとタカをくくっていたのだが、これが意外と面白かった。何よりも、エッセイやインタビュウだけではなく、ボカロをテーマにした小説も読めるというのが新鮮で、掲載誌がS-Fマガジンだったことの特権と言えるだろう。
それぞれの小説は、どこかのSFのテンプレートにミクを乗っけてみました、みたいなところがあるような気がするのだけれど、それはそれで読んでいて楽しかったし、これもまたミクを使った二次創作と言えるのかもしれない。ただ、どの小説も文中に「初音ミク」は一文字たりとも入っていなかった(はず)のが気になるのだけれど。
また、小説だけではなく、インタビュウやエッセイを含め、それぞれの文章やテーマが互いにリンクしているところが印象的だった(いくつかのどうでもいい文章を除く)。これは、別に意図したものではなくて、たまたまリンクしたはずで、各々の作者やインタビューイが初音ミクの共通した「何か」をとらえていることを示している。

まあ、それはともかく、今回の件でSFでもミクを題材にすれば売れるということが証明されたわけで、編集者が次にやるべきは、もっと多くの作品を集めてボカロSFアンソロジーを作ることだろう。まさか今時のSF作家がボーカロイドを題材に小説を書けないはずがないので、きっと色とりどりの物語を楽しむことができるはずだ。

……と先走ってもしょうがないので、以下、本特集を読んだ感想を書いておきたい。

喪われた惑星の遺産(山本弘)

遥かな未来、地球外生命体が「あかつき」を発見したら……という話。現在あかつきが置かれている状況を踏まえると、感慨深いものがある。初音ミクを通して、人類を類推するという視点が面白い。
作者が意識したかどうかは不明だが、かつて富野由悠季が言った、「初音ミクは100年後は生き残れない」という言葉を思い出した(双方のコンテクストは違うけれど)。

ミライのクルマ――未来派からミクへ(飯田一史)

ミクとSFとトヨタの関係ありそうな単語をただ並べただけの、S-Fマガジンでよくありがちな文章。

佐々木渉インタビュウ

ミクの生みの親としておなじみのインタビュウ。概ね、「初音ミクをなるべく自由に使ってほしい」みたいなことを言っている。でも、クリプトンはそれなりに初音ミクのイメージを守ろうとしていた時期もあったと思うんだけど、最近は違うんだろうか。あと、最後の「さらなる『ボーカロイド』の展開などはお考えですか?」という質問にまともに答えていないこととか、ANIME EXPOで発表されたMIKUBOOKが今後どうなるかは気になる。

内海洋インタビュウ

「初音ミク ――Project DIVA――」シリーズのプロジェクマネージャーであり、中の人一号(だったはず)としておなじみな人のインタビュウ。初音ミクが海外にも広く知られる一因となったライブ、「ミクの日感謝祭」や今回のLAライブのプロデューサーでもあるのだが、割と冷静に語っているのが興味深い。

前山田健一インタビュウ

えっと、ヒャダインとミクとなんの関係が? という、今回一番謎な人選(一応初音ミクを使った曲も発表しているらしいけど)。本来はミクの曲を作ってきた有名Pにインタビュウしたかったんだけど、都合がつかなくて已むを得ずと予想。

DIVAの揺らすカーテン(泉和良)

ジェバンニPによる、とある山奥にある研究施設にやってきた研究員のお話。リン廃なら、特集対象がなんであろうとリンを出せよと思うのだが、本作に出てくるのは外見的にあきらかに初音ミクを指しているようだ。まあ、小説をきちんと読みこめばどこかに出ているかもしれない。
編集者の解説によると「異色のミク小説」とのことだが、他の二作品と比べると、一番初音ミクらしい小説になっていると思う。現実世界とバーチャル世界の初音ミクの関わり合いというのは、ある意味こういうものではなかろうか。

初音ミク、その越境するキャラクター的身体について(濱野智史)

初音ミクと濱野智史というと、以前「ユリイカ」でつまんない文章を書いていたな、という印象しかないのだが、今回はかなり気合を入れてきた印象。すごく大雑把にまとめると、ジャンルが細分化・分断化されたサブカルチャーを飛び越え、「自らの作品をより広い範囲に向けてコミュニケートすることができる」存在こそが初音ミクだ、ということになるだろうか。
これは、実は、今回の特集中の小説等にも共通で見られるテーマになっていて、結果として本論考が特集全体の纏めにもなっている。

初音ミクを縛るのは誰? ――ボーカロイドを巡る法律問題(小倉秀夫)

著作権をはじめとしたボーカロイドに関連する法律についての解説。
が、これはあくまでも作者による「解釈」であり、実際にボーカロイドがどのように運用されているかは全く書かれていない(おそらく、全く取材していない)。現実を踏まえない法律論を読まされてもなあという気になって、結局斜め読みしかしていない。

しまった! ~または、ボカロ現象に、今からでも遅くない、SF大賞メディア部門賞を!(難波弘之)

どうでもいいです(文章が)。

歌う潜水艦とピアピア動画(野尻抱介)

野尻抱介というと、後に星雲賞を獲得した「南極点のピアピア動画」の前編を読んで、登場するボーカロイドである「小隅レイ」というネーミングセンスがすごく嫌だったのと、結局宇宙に行く話かよボカロらしいSFになってないじゃんと萎えてしまい、後編は全く手をつけず、もちろん次作である「コンビニエンスなピアピア動画」も読んでいない。
で、今回については宇宙は出てこないものの、やっていることは要するにに「ミクとの遭遇」なわけで、なんだかなあと思った。
ただ、「ボーカロイドならではの小説を!」というのは、「ボーカロイドが歌うからにはボーカロイドならではの曲にすべだ」という主張にダブるところがあって、あまりよろしくないのではないかと後に反省した。これは本来順序が逆で、ボーカロイドの曲を聴いていて、いい曲であると思えるものがあるのなら、それこそがボーカロイドならではの曲だったということになるはずだ。
これに習えば、面白くてボーカロイドが出てくる小説であるならば、それがどういうジャンル・題材・内容であろうと、ボーカロイドに最適化された小説であると言えるだろう。果たして本作は、そこまで評価できるのかは自信がないけれど、前半の、とある計画がボーカロイドの力を借りて形になってゆく怒涛の展開はなかなか面白かった。ただやっぱり「小隅レイ」というネーミングはダメだと思う。素直に「初音ミク」とすべきだった。

ちなみに、あと一作くらいで「ピアピア動画」シリーズは単行本化できそうとのことだが、上記で述べたアンソロジーを組めば、もう一作くらい新作を書いてくれるのではないだろうか。

S-Fマガジン 2011年 08月号 [雑誌]

早川書房
¥ 967


2008/12/04 [SF] びっくりその2

なんと、あの名作が復刊していた。

エンジン・サマー (扶桑社ミステリー)
ジョン クロウリー/John Crowley/大森 望
扶桑社
¥ 1,008

どうせなら、「ハロサマー、グッドバイ」と同時期に復活していれば面白かったのに。

ちなみに「名作」とか言ってますけど、実は未読だったりします。お手軽な文庫サイズになったことだし、さっさと読んでみることにしよう。

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_ オレ [知らなかった]


2008/07/13 [SF] ハローサマー、グッドバイ

みなさんSFゴコロ、ワクワクしてますか?
私はもはやSFマガジンすら買っていない有様なんですが、先日ふと書店を覗いてみたら、思わぬタイトルを発見。

ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)
マイクル・コーニイ/山岸真
河出書房新社
¥ 918

しかも山岸真による新訳だよ。びっくり。解説によると、売行きしだいでは、続編的作品も訳されるかも、ということで、ひじょーに楽しみ。

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_ 軛躰 [ぽーにょぽーにょぽにょ さかなの子]


2005/08/19 [SF] 星のダンスを見においで

星のダンスを見においで 本書を読んだのは、もう、だいぶ前のことだ。

……と、書いたものの、ここでいう「だいぶ前」とは、二つの意味がある。
ひとつは、『星のダンスを見においで』がソノラマ文庫として、1992年と1993年にそれぞれ上下二分冊で出版された時のことだ。もう当時の記憶はほとんど残っていないのだが、どちらも書店に並んですぐ購入し、さっさと読了した覚えがある。
そして、実に10数年の月日が流れ、「掛け値なしの大幅加筆」(帯より)により、ソノラマノベルスとして一冊にまとまって復活したのが今年(2005年)4月末のこと。この時も、たまたま昼休み中に立寄った書店で平積みされているのを見つけ、おもわず懐しさのあまり買ってしまった。で、どんな話だったかしらんと、パラパラ冒頭を読みだしたら止まらなくなり、会社に戻る道をとぼとぼと歩きながら、ひたすら読みふけることになってしまった。

なぜ、そんな危なっかしいマネをしてまで読もうとしたのかというと、本書が実にスピード感あふるる話になっていたためだ。読書を中断するタイミングがみつからないのである。笹本祐一は文章や物語に小気味良いリズムを付けるのが抜群に上手い作家だが、本書はその中でもベストな出来になっているのではないかと思う。

まず、プロローグはいきなり宇宙を舞台にした追跡シーンから始まる。のっけからクライマックスのシーンから入るわけだが、同時に、追跡側は海賊で、逃走しているのはかつては海賊たちのボスだった人物であることなど、本書で登場する主要な舞台背景からメカニックまでのほとんどをきちんと説明しつくしているのはなかなかうまい。しかも、緊迫した描写やカッコいい会話のおかげで、説明っぽくなっていないのはさすがである。この間、約17ページ。

そして、現代の日本を舞台にした本編がスタートし、主人公である冬月有佳(女子高生)の登場と、彼女をとり巻く環境、そして意味深なおじさんの説明を15ページですませ、プロローグで登場した海賊とかつてのボスが対峙する箇所に11ページ。
御膳立てが全て整ったとろで、物語がリスタートし、「事件」が起きる予感のシーンに9ページかけた後に、主人公とおじさんが海賊の攻撃をふりきって伝説の宇宙船〈ヴァイパー〉にたどりつくまでが16ページ。そして、宇宙船についててはまるっきり素人(当たり前だが)の主人公が諸事情から、ヴァイパーを操縦することになり、大気圏に突入してきた海賊船との攻防が30ページの間繰り広げられることになる。ここで、辛くもヴァイパーは海賊を撃退。気がついたら成層圏を抜けていて、自宅に帰るまで一苦労……というところでひとつのエピソードが終了。おおよそ、98ページの中で、女子高生を主人公に据えた、海賊たちの抗争をきっちり消化したことになる。ちなみに、本書は全部で430ページちょい。この密度で話が進んでいったらどうなっちゃうんだろう、と残りの分厚いページをみて呆然としてしまった。

もちろん、そこから先はさすがにペースダウン気味になるのだが、舞台は地球から宇宙へと広がり、そして大宇宙の秘宝をめぐる大活劇がテンポよく進むことになる。まあ、大幅加筆してもやっぱりラストはちょっと急すぎる感じがしてしまうあたりは、いかにも笹本祐一らしいところだが、とてもよくできたスペースオペラになっていると言えよう。

と、いう感想をなんで今になって書くことになったかというと、100ページをすぎてもいまだにキャラクター紹介が終わらない小説を読んでいるせいだったりする。もう、いい加減にしてくれー。


2005/04/30 [SF] 『アグレッサー・シックス』がすごい件について

qアグレッサー・シックス

まず、帯がすごい。

デイヴィッド・ブリン激賞
ヴァーナー・ヴィンジ感嘆
これぞまさしくミリタリイSFの真髄!

著名なSF作家二人が激賞と感嘆ですよ!
さらに、解説の加藤逸人曰く

問答無用の異星人の侵略や、〈ハエタタキ作戦〉で描かれる激しい戦闘シーンから、ロバート・ハインラインの『宇宙の戦士』を思い浮かべる人も多いだろう。
(中略)
とはいえ、前半の肉弾戦を離れて、異星人の言語や思考形態、社会体制に感化されたチームの変貌をメインに描いた後半は、言語学SFの代表作であるサミュエル・R・ディレイニーの『バベル-17』を彷彿とさせ、たんなる戦闘SFにとどまらないだけでなく、安易な相互理解による解決も避け、異文化を異質なまま対立解消に導くという、絶妙なバランスによる結末を提示している。

なんと、『宇宙の戦士』プラス『バベル-17』が本書だと言うことらしい。
しかも、表紙イラストはあの木嶋〈地獄のハイウェイ〉俊! いやこれは絶対傑作にきまってますよ、傑作に違いない! と、本書を前にして期待はいや増すばかり……だったのだが……。

……まあ、この手のジャンルに期待をかけた手前があまりに楽観的すぎたのでありましょう。
でも、「敵である異星人を知るため、異星人と同じ習慣で生活を送ってゆくうちに、次第に思考が人を逸脱し、異星人に近くなってしまう」というシチュエーションはとてもいいと思うんだけどなあ。
ただ、その割には主人公たちがラストを除いて、ほとんどなにもしていないとか、異星人理解のブレイクスルーが外部からやってくる、というのは致命的にひどすぎるのだが……。

口直しに、『タフの方舟』でも読も。


2005/01/04 [SF] S-Fマガジンを読んでみる 2005年1月号


2004/11/24 [SF] S-Fマガジンを読んでみる 2004年12月号


2004/06/09 [小説][SF] 蹴りたい田中

をゲットした(amazon)。 (帯の画像)

例によって田中啓文ゆかりの作家の寄稿が付いているのだが、「トリフィドの日」の前説に浅倉久志を持ってきたのがポイント高い。
ところで、実は恥ずかしながら『蹴りたい背中』は未読なんだよなあ。前もって読んでおいたほうがいいのかしらん。とか考えていたら、ふと「親指タイタニック」のネタをちゃんと理解したいがために、わざわざ本家「タイタニック」を観た映画マニヤを思い出した。うーん、ぼくはそこまで映画や小説にのめりこんでいるわけでもないしなあ。うーん……。

本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]

_ 鈴木力 [私も『蹴りたい背中』は読んでいませんが、関係ない話なのは「蹴りたい田中」を一読すれば明らかなので、予習するだけ無駄です。 むしろあんまりといえばあんまりな駄洒落に脱力しないよう注意すべきでしょう。私は机に突っ伏してしばらく動けませんでした。 とりあえずご忠告まで。]

_ ふじぎー [私は「蹴りたい田中」というタイトルを聞いて、てっきり鈴木がくだらぬコピー誌でもつくったのかと思ってました。田中啓文か。なんだ。]

_ 鈴木力 [っていうかさー、こういうキワモノ的な一発芸って本来アマチュアの「くだらぬコピー誌」の領分だと思うんだよね。黒澤明門下のスタッフが並木ぷりんの映画を撮るようなもので、プロにこんなことされたら俺達のすることがなくなってしまう。いろんな意味で困った困った。 ――と、私が代理人を務める同人作家・氏飼文緒が語っていました。]

_ BookMeter [さすがに、田中啓文(と愉快な仲間たち)を黒澤明門下のスタッフに例えるのはいかがなものかと思いますが……。とはいえ、ご忠告ありがとうございます。心して(?)読むことにします。>力さん。氏飼文緒せんせいには、プロになって田中啓文以上のネタを披露していただく日を待っておりますと、お伝えください。 あと、この本の最後に「田中啓文 文学大賞創設のお知らせ」というネタがあって、応募要項に「未発表の四コマ漫画に限ります」ってあるんですが、ここはひとつふじぎー先生に投稿していただくというのはどうでしょう。応募期間が平成219年なんですが……。]


追記