'99 Book of Days 2月

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2月28日 07:15

 たった今、追いコンより帰宅。ねむい〜。う〜。……まあ、なにはともあれ、4年のみなさん、ご卒業おめでとうございます。私が現役だった頃とてもお世話になった代なので、感慨もひとしお。いや、もっと感慨に浸っていたお方もおりましたが。
 で、頭が朦朧としているので何が話題にのぼったのか、あんまり思い出せないのだが、収穫といえばなんと言っても編集長から「ハヤカワ文庫SF年鑑98」のレイアウトをみせてもらったことだろう。いや、無茶苦茶かっこよかったです。「FASOV3」は白の使い方がうまかったが、今回は黒に注目といったところか。SFセミナー合わせとのことなので、現物をいち早く見たい方は、是非是非参加されるとよろしいのではないのでしょうか。


結構前(多分13日くらい)

 色々なところで、去年刊行された本に関する投票企画が催されているようだ。SFに関して言うと、おそらくは『スノウ・クラッシュ』がダントツの人気を誇るのではないのだろうか(あとは、『タイム・シップ』か?)。ただ、今回私自身も投票に参加したりして思ったのだが、1作ならともかく、複数選ぶのは結構難しい。どうも、「それなりに楽しめた」と思える本は結構あるのだが、「これは傑作」、「これはお勧め」と断言できかというと、ちょっと躊躇してしまう。そんなこんなで、悩んでいるといつも思うのが、「でも、今年の作品は選ぶのが楽だろうな」ということ。年があけてから2ヶ月も経っていないというのに、続々と傑作が刊行されているのだ。
 なかでも、『スタープレックス』『新艦長着任!』の両SFはとても気に入っている。前者は壮大なスケールの話をいくつもいくつも重ね、まさしく力で物語をねじふせているような感じだ。その割には、人間ドラマが実にせせこましいのはご愛敬といったところ。特に、艦長のキース君。あなたは、自分の身の回りの人間よりもスタープレックス号や、その外に広がる様々なドラマに、もっと気を配るべきだったと思うんですが。
 で、彼とは対照的なのが、『新艦長着任!』の主人公にして、巡洋艦〈フィアレス〉艦長のオナー・ハリントン。彼女の方は、ま、ミリタリーSFということもありまして、見事な統率力で巡洋艦を率いてくれます。なんか、副長との仲がいまいちよろしくなかったりして悩んでいたりもしますが、こちらはそれほどくよくよしてません。こういう物語は、ただただ艦長が偉くなりすぎると読者が感情移入しにくくなるので、あえて少し弱みを付け加えているのだろう。話のスケール自体は『スタープレックス』よりも数段落ちるのだが、ラストの戦艦同士の戦いの描写は壮絶で、これだけでも一読する価値はあるんじゃなかろうか。
 で、これであっという間に2冊は確保でしょ。あと、『フェアリイ・ランド』もなかなかよかったし、『エンディミオン』も『グリーン・マーズ』も出ちゃうし、ああっ、来年の投票はどれを落とせばいいのかわからないわっ! ←鬼が笑う


2月2日

 今頃になって『球形の季節』を読了する。昔読んだときはそんなに面白いとは思わなかったのだが、今回は結構楽しめた。そんなわけで、どうやら、私は恩田を全肯定できそうだ。わーい。
 ……が、問題は小谷真理のツッコミどころ満載の解説である。なんじゃありゃ。

サヨコ伝説が発生してから六年目の年に、「伝説」をよく熟知する、その名もサヨコという謎の転校生が現れ、彼女をも含む主人公たちは「サヨコ伝説」とは何かを探求することになる。(P 327)

 あのー、サヨコの年って三年に一度なんですが。六年目だったら『三番目の小夜子』ですね。小谷は本当に『小夜子』を読んだのであろうか。
 もしくは、『球形の季節』に関して述べた、P 338の

学校という制度と幻想物語の発生現場との関係性は、舞台が地方都市、それも柳田民俗学とも縁深い東北の地に設定されているため、より民俗学的要素が色濃い

という論理展開の驚くほどの粗雑さは、一体何なのであろう。東北だったら、何でも民俗学になるのか? これだったら『遠野物語』と、『光の帝国』のサブタイトルである「常野物語」を結びつけた方がまだ説得力があるだろう。もうちょっとまともな主張をしていただきたいもんだ。と、いうか、上に引用した文の直前に、

そうした意味ではまさに民俗学的要素を懐にしながら、にもかかわらずそうとは気付かせないほど慎重に描かれたファンタジーである。

 って書いてあるんですが。あの、『球形の季節』は、「民俗学的要素が色濃い」小説なんでしょうか? それとも「そう(=民俗学的要素)とは気付かせないほど慎重に描かれたファンタジー」なんでしょうか? 相矛盾する主張をあっけらかんと(しかも、ほとんど同じところで)書けてしまう小谷の論理とやらには恐れ入るばかりだ。


2月1日

 ようやく、小夜子ベンチ2を更新。本来は1月上旬に完成しているはずだったのに。これをやりたかったためにPC完成を早めたのに……。とかくこの世は思うに任せぬことが多すぎる。例えば、以前考えていたネタで、「小夜子いろはがるた」というものがあった。いかにも正月っぽいでしょう。で、かるたの文句を考えたのだが、頭をよぎるのは、

……愛してるよ、サヨコ
……いとしい人(しと)、サヨコ
……美しきサヨコ
……えらすぎるサヨコ
……おお、サヨコ

という、使えないものばかり。ああっ、文才のない私の貧弱な脳が憎い。誰か代わりに考えてくれる人はいないんでしょうか。


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