Book of Days 10月

Previous  TopPage  Next
このページの末尾へ

 と、いうことで生まれて初めての入院である。どうなるのかなー、わくわく。なんてことを考えている余裕は全然無くて、ぎりぎりまで年鑑の編集に励むハメになる。前日に大部分を打ち出したものの、夜中にプリンターのがっちょんがっちょんという音をたてるのはさすがにヤバいだろう、ということで後輩との電話で暇をつぶし、入院当日の朝にようやく全ての原稿をプリントアウト。ふう、疲れた。約2時間程度の睡眠を経て病院へ直行する。

 さて、アトピーの治療というのはどんなものか、というと、ひたすら軟膏(ステロイドと非ステロイドを混ぜたもの)を体中に塗りつけ包帯でぐるぐる巻きにするという、実にわかりやすい処置であった。だから、外見は綾波レイ((c)西条新太郎)と、いうよりもほとんどミイラ男である。で、私のような人が何人もベットに横たわっているわけで、一見するとまるで野戦病院のような光景であった。でも、みんな体自体は元気なんですけどね。ちなみに、以上のような処置を一日に一回行った後は何も特に何があるわけでもなく、ただひたすら安静にしていることになる。

 しかし、この「ミイラ男状態」は結構辛い。というのも、前進薬を塗って包帯で巻くということは、皮膚を完全に覆っているということになるわけで、ものすごく暑いのだ。しかも、汗をかくことさえできないという。毎日、氷枕をもらい、体を冷やしながら寝るという苦難の日々が続いたのだった。

 むろん、ある程度症状が収まってくると、次第に包帯はとれてくる。「ミイラ男」から「綾波レイ」へ、というところ。で、このころになると、入院生活も一段落し、だんだん毎日が退屈なものになってくる。暇。とにかく暇。

ということで以下、読了した主な新刊についての感想を簡単に書きだしておこう。

 まずは、入院直前にようやく読了したニール・スティーブンスンの『スノウ・クラッシュ』(アスキー出版局)。すげー、バカでよかった。あるようで、ないも同然なストーリイはどうでもよくって、ただただノリでひたすらつっぱしるその勢いとセンス(というか、ユーモア)のある文章はお見事の一言。こりゃたしかに今年度最高のSFだわ。
 ところで、この『スノウ・クラッシュ』は山田正紀の作風と似通っているらしい。で、彼の新作である『長靴をはいた犬』(講談社ノベルズ)はなんか京極夏彦っぽくなっていた。京極堂の長広舌がないと、本はこれくらい薄くなるということがよくわかる。『塗仏の宴』がイマイチだと思った方は口直しにいいかもしれない。
 「スイスの精神病院を舞台にくりひろげられる異色探偵小説」という、入院中の私にはぴったりの『狂気の王国』(フリードリヒ・グラウザー/作品社)は、あんまり狂ってなくて、物足りなかった。うーん、登場人物全員が狂気の淵に追いやられていくような物語を期待したんだがなあ。なんか、普通じゃん。
 〈ミッドナイト・ブルー〉外伝で「用心棒」な、『ブラック・ローズ』(ナンシー・A・コリンズ/ハヤカワ文庫FT)はシリーズに親しんだ人なら安心して読めるお話。あいかわらずのぐちゃぐちゃどろどろヴァイオレンスは健在。個人的には前作の『フォーリング・エンジェル』よりも好きかも。でも、もう少し下品でもいいような気がするなあ。
 で、下品と言えば、ルーディ・ラッカー(おい)の『時空ドーナツ』(ハヤカワ文庫SF)でしょう。ストーリイについて云々するのは野暮というものだけど、全体的にはちょっと退屈だったかな。しかし、中盤から終盤にかけてのSF的な描写は、さすがラッカー。いいよなー。お下劣なところもきっちりありますし。さすがに、「ここ3年ほどの早川では一番面白かった」とは思いませんが、楽しめるのは事実でしょう。

 ……と、いったところでしょうか。他は病院に置いて来ちゃったのでひとまずここまで。ま、いつもと違ってイヤになるほど本を読む時間があるというのはいいものです(涙)。試験外泊については後で書きます。


 入院中に読む本は何にしようかとあれやこれやと考える。どうせ、ヒマだろうから、色々持っていこうっと。基本的には、普段持ち歩けないようなハードカバーがいいだろうと思うのだが、「どうせだったら、純文学でも読めば」とも言われ、迷っている。明日は本の買い出しだな。

ところで、このページの10月16日の日記を読んで、私は読書会って4年生が出席する価値のない、くだらないものだとはじめて知りました。卒論もあるのに、こんなことやってられっか、というところでしょうか。ふうううううううん。


ふと思い立って、Lynxを入れてみる。確かに、テキスト・オンリーだと非常に快適ですな。ページを見る際にいちいち画像を読み込むということが、いかに無駄な行為であるかがよくわかる。タグのお勉強にもなるし(自分のページでも幾つか問題点を発見)。

なお、入院の日取りが決定。10月20日だそうな。9時から10時までに来るようにとのこと。前回散々待たせておいて、偉そうに時間を指定するなよなー。


入院について決めるために、再び病院へ行く。ところが、担当の先生が突然休診ということで、急遽別の先生に回されることになる。当然、そういう立場の人は私だけではないわけで、自分の順番になるまでにおそろしく時間がかかることとなる。
で、予定の時刻より2時間オーバーして、ようやく診察開始。

「では、これから入院の手続きをしますから」
「えっと、いつ頃になるんでしょう」
「さあ……それは受付の人に聞いてください。あと、薬は足りてますか? 飲み薬がもうすぐ切れる? わかりました、2週間分出しておきますので。それでは」

以上、約10分程度で診察終了。指定の紙を所定のところへ提出すれば手続きが完了するんだと。ふざけんなああああああああああ。そういう書類はさっさと前もって渡せええええええええええええええ。そんな用事だったら、わざわざ先生に会うために予約とる意味ないじゃん。俺の2時間を返せ。

で、言われた場所で入院の手続き。
「具体的にはいつになりますかね?」
「ちょっとわかりませんねえ。なるべく早くしますが」
「早くって、どれくらい早くなんですか?」
「いやあ、はっきりしたことは申し上げられません。入院の2〜3日前になりまし たらお知らせしますので」

なんだそりゃ。

と、いうことで、未だにこれからの予定が立たないまま、私はとぼとぼ出社しましたとさ。はああああああ。


どーしてもIE、ネスケ両ブラウザとも、まともに表示させるようなスタイルシートを書けそうもにもないので、別々に分けることを決心する。つまり、使っているブラウザの種類を事前に読みとって、該当するスタイルシートファイルをインクルードするようにしたわけだ。汎用性がなくなるため、あまり気が進まないのだが、しょうがないだろう。ということで、リニューアルしたあかつきには、いろんなブラウザでトップページを見てみると、それぞれでだいぶ印象が違うと思いますよ。スタイルシート未対応だと、これまでとあまり表示が変わらないようにはしています。しかし、そんなことをしている暇があったら中身を充実させろという気が……。


本当はこの日にページを更新する予定だったのだが、まだデザインができあがっていない(というか、どんなブラウザでも綺麗に表示できるようなスタイルシートが作れていない)ので、明日以降に見送りとする。

さらに、人に自分が入院することを告げるという、ここ数日における私の最大の楽しみを後輩によって奪われてしまったことが判明する。9日に電話してきた一人の後輩に入院について教えたら、その日のうちに主要な面子に触れ回ってしまったらしいのだ。あんまりだー。

「みんな、すごく驚いていましたよ」

だから、私が驚かせてやりたかったのにー。


 「PERFECT BLUE」をようやく観る。すごくいい。これって、確か去年のファンタで上映されて史上最高の観客動員を記録したらしい(観客の目当ては岩男潤子だったという見解が一般的だが)。一年前にこんな名作を観ることが出来た人ってつくづくうらやましいと思う。私はこれまで何をやっていたんだろう? などと思ってしまった。

詳しいレビューなどは色んなところにあるので略。身内ではこんなところで将来感想がアップされるんじゃないかなあ。


 東京ファンタのチケットを買いに行く。と、言ってもおそらく、ファンタ期間中、私は入院していて、一歩も外に出られない可能性が高いのだが、もし万が一行けるようになったときに後悔したくないので、とにかく、今日中に売り切れになりそうで、興味のある映画の券は手に入れておくことにする(林さんに頼まれている分もあるし)。しかし、たかがチケットを買いに行くだけで、妙に心が浮き立つのはなぜ?

せっかくだからということで、渋谷パンテオン前のぴあで買うことにする。
で、行ってみたら……まさか、前売り券のために、裏の非常階段に並んでいるとは。すごいなー。2、3年前はここまで並んでいなかったような気がするんだけど……。今年は人気があるんでしょうか? でも、こんな列の後ろに並んで待っていたらいつまでたってもチケットを手に入れられそうにないし、疲れるのもイヤなので、別の場所のチケットセゾンに向かう。が、そこで無情にも
「クロージングは売り切れです」
がーん。最も行ける確率が高いクロージングのチケットが手に入らないのー!? て、いうか、そこまで人気かインド映画。なんてこと。どうやら神様はひたすら私の楽しみを奪うことにご執心らしい。
ただ、結局チケットぴあでまだクロージングの券を売っているとの話を聞いて、ようやく、予定していたチケットをすべてゲットすることに成功する。ああ、大変だった。

ということで、私が今のところ手に入れている券は

「オープニング(ヴァンパイア/最期の聖戦)」
「ダークサイド・オールナイト〜闇のカーニバル」
「プラクティカル・マジック」
「クロージング(アルナーチャラム 踊るスーパースター)」

の4つ。オールナイトは指定席になっているので、おそらく今年は並ばなくていいのだろう。オープニングを観た後にゆっくりと夕食をとることができそうだな。って、一番行けそうにないのがオールナイトなんだけど。

午後は池袋で待ち合わせした後輩に買ったチケットを全部渡して、私が行けなかった場合は、その分を誰か他の者に使ってもらうことにする。無論、チケット代はタダ。ただし、翌日までに観た映画のレポートを書くこと、という条件をつけることにする。レポートを書くだけで、タダで映画に行かせてあげる私って、なんて心の広い男なんだろうと、自分自身に深く感動する。

あとは、サークルの会計を辞めて、Webページ管理に専念すると宣言した田中がちゃんとしたファンタ特集を組んでくれることを祈るばかりだ。


 『スノウ・クラッシュ』を読み始める。おお、なんか本当にサイバー・パンクになってる。まだ、ほんの数ページを読んだだけなので、全体の評価はなんとも言えないが、ひじょーにかっちょいい。話題の映画「ニルヴァーナ」(でも、未見)といい、「lain」(これまたほとんど観ていない)といい、今年はサイバーパンクの当たり年なんだろうか?


 入院の件については会社の方でも了承とのこと。診断書を提出するまでもなかった。さすがに、やばそうだとは思っていたらしい。また、時期的にも仕事の谷間ということもあって今なら入院してもそれほど大勢には影響が出ない。そんなわけで、どうせだったらなるべくはやく入院すべし、ということになる。
そんなわけで、にわかに身の回りがあわただしくなってゆくのであった。ふう。

ところで、横浜が優勝し、某ページのトップが劇的に変わる。実にこの人らしい文章だ。


 あまりにもアトピーがひどいので、かかりつけの医者の紹介で横浜の某病院に行く。で、先生が一言「これは入院した方がいいな」……。
 実は、入院については前々から話はあった。たしか、7月頃のことだった。そのあたりから、アトピーがどんどんひどくなり、SF者OFFの頃辺りからは見るも無惨な顔立ちになっていったのだった(この「無惨な顔立ち」の詳細については、グロテスクな描写をせざるを得ないので略)。ただ、前もって聞いていたところでは退院まで2ヶ月かかるという。言うまでもないことが、新入社員がいきなりそんな長期にわたる病欠などできるわけがない。……と、いうことで入院の話が出たらひたすら抵抗しようと思っていたのだが、どうやらこの段階では2〜3週間で済むらしい。――それなら、まあ、なんとかなるかな、と現金にも思ってしまった。
ひとまず、会社と相談して今後のことを決めようということになる。


 暇になったので、ページの全面リニューアルを考える。とりあえず、大規模にスタイルシートを導入することにして、まずはトップページをいじりだす。
……うーん、色々変えようと思えば変えられるんだけど、ブラウザによって雰囲気が全然違ってしまうのが、難点だな。とにかく、IEで綺麗に表示できるようにするとネスケではひじょーに汚いページになってしまう。なんとかしてー(涙)。しかし、会社でやることが何もないと実に退屈だなー。


Previous  TopPage
このページの先頭へ